現存するカーコーティングの中で最も高品質であるセラミックコーティングですが、効果を長持ちさせるうえで日頃のお手入れやメンテナンスが欠かせません。

基本的に、お手入れは自分で行い、メンテナンスは施工したお店にお願いするのが一般的です。

しかしながら、使用頻度や駐車環境が車によって異なるため、近年は施工の際にメンテナンス用のアイテムが一緒についてくるケースが増えてきています。また、メンテナンス用の商品も販売されています。

今回は、セラミックコーティング施工車のメンテナンスを自分でする方法を中心に、作業の注意点や負担のお手入れ方法について解説していきます。

目次

・カーコーティングのメンテナンスはとても重要!
・セラミックコーティングのメンテナンスの種類
・セラミックコーティングのメンテナンスを自分でする方法
・セラミックコーティングの普段のお手入れ方法
・セラミックコーティングのメンテナンスに関するよくある質問
・まとめ

カーコーティングのメンテナンスはとても重要!

カーコーティングのメンテナンスはとても重要であるイメージ

そもそも日頃のお手入れ(洗車)とメンテナンスの違いが分からないという方もいるのではないでしょうか。

洗車は、ボディに付着した汚れをキレイに洗い流すのが目的である一方で、メンテナンスはコーティング被膜をお手入れするための作業です。

日頃からこまめに洗車することで、汚れによる被膜のダメージを最小限に抑えられますが、乗り続けているうちに、紫外線などによるダメージが蓄積して被膜が弱っていきます。

メンテナンスが必要であるかどうかの見分け方

・洗車では取れないシミが全体に付着している
・水弾きが弱ってきている
・洗車時に汚れが落ちにくい

「メンテナンス不要!」「お手入れ不要」といった誇大広告を目にすることもありますが、どれだけ高級なコーティングでもお手入れやメンテナンスが不要なものは絶対にありません。

セラミックコーティングのメンテナンスの種類

セラミックコーティングのメンテナンスの種類について解説していくイメージ

弱った被膜をお手入れするメンテナンスは、一般的な洗車とは作業内容が異なるだけでなく、被膜の状態に合わせた処置が求められます。そのため、基本的にメンテナンスは施工したお店に依頼するのが一般的です。

専門店で受けられるメンテナンスの種類

・クリーナによる簡易メンテナンス
・クリーナーとリキッドによるメンテナンス
・被膜を新しくするメンテナンス

ここでは、上記3つのメンテナンスについて作業内容、料金相場について解説していきます。

ちなみに、コーティングを長持ちさせるうえで、メンテナンスを含むアフターケアは非常に大切なものです。メンテナンス自体が用意されていなかったり、内容にこだわっていなかったりするお店での施工はおすすめしません。

クリーナによる簡易メンテナンス

最も簡易的なメンテナンスメニューが「専用クリーナー」を使用する作業です。クリーナーは、普段の洗車では落とせない油分やシミ汚れを落とす効果があり、水弾きや艶を復活させられます。

具体的な作業内容は、お店によって異なりますが細部まで丁寧に手洗い洗車したうえで、メンテナンスクリーナーで全体の汚れを取り除く流れです。

ちなみに、クリーナーと似たアイテムに「リキッド」があります。

リキッドは、汚れが落ちてキレイになったボディに施工することで、本来の被膜の上に犠牲用の被膜を形成させます。

これにより、本来の被膜が傷つきにくくなるので、より長持ちさせられる仕組みです。作業時間は2〜3時間で終わり、料金は1〜3万円ほどです。駐車環境や使用頻度にもよりますが、半年に1回のペースを基準にしてみてください。

コーティング被膜の補充メンテナンス

本来の被膜が薄れてしまっていたり、場所によって剥がれてしまっているような状態の場合は、コーティング被膜を補充します。

洗車と簡易的な下地処理を施したうえで、状態に合わせてベースコートやトップコートを施工します。被膜自体が新しくなるため、本来の艶と撥水効果が蘇ります。

コーティング被膜の補充は、施工前の下地処理が重要であり、ただボディをキレイにしてコーティング剤を塗布するだけでは、ムラやギラツキの原因になります。

後ほど、メンテナンスを自分でする方法について紹介しますが、被膜の補充などは専門店へ任せるようにしましょう。作業時間は半日〜1日で、費用は3〜5万円程です。施工のタイミングは1~2年に1回を基準にしてみてください。

被膜を新しくするメンテナンス

コーティング被膜が劣化により、ほとんどなくなっているような場合は、残っている被膜を取り除き新しく塗り直すメンテナンスを行います。

洗車後に鉄粉などの不純物を取り除き、簡易的にボディを磨いた上でコーティング剤を塗布します。

「再施工になるのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。これに関しては、お店によって異なります。

下地処理の磨きのレベルに差をつけて再施工と別にしているお店もあれば、被膜を新しくするメンテナンスではなく、再施工として依頼を受けているお店もあります。作業時間は1〜2日で、費用は5〜10万円程です。コーティングの効果がなくなった時点でお店のスタッフに相談してみましょう。

セラミックコーティングのメンテナンスを自分でする方法

セラミックコーティングのメンテナンスを自分でする方法を解説していくイメージ

専門店でのメンテナンスについて紹介してきましたが、まだまだ被膜が残っている状態の簡易的なメンテナンスであれば、自分でも十分できます。

ここでは、作業前に理解しておくべき注意点や実際の作業手順について、分かりやすく解説していきますので参考にしてみてください。

メンテナンスを自分でする際の注意点

メンテナンスで使用するクリーナーやリキッドには相性があり、使用したことで本来の被膜が剥がれる可能性があります。また、指定の商品以外を使用すると、本来の保証を受けられなくなる恐れもあります。

自分でメンテナンスするためにクリーナーなどを購入する場合は、なるべく施工店のスタッフに相談するようにしましょう。また、購入する際には他社のコーティングに使用しても大丈夫な商品を選ぶようにしましょう。

ステップ1.手洗い洗車する

まずはボディに付着した汚れを洗い流すために、手洗い洗車していきます。

洗車の際に意識すべき重要なポイントが「大量の水で汚れを流しきってから洗い始める」ということです。いきなりシャンプーを始めるのではなく、ボディを上から下の順で水を強めに当てて砂埃をながしていきます。

高圧洗浄機で汚れを流しきるのが理想ですが、ない場合は一般的なシャワーヘッドで上から下の順で流していきましょう。

使用するシャンプーは、被膜へのダメージが最も少ない中性のものを使用するのが基本です。「鉄粉などが気になるから」と、強めの酸性やアルカリ性シャンプーを使用すると、被膜が剥がれてしまう恐れがあります。

ステップ2.クリーナやリキッドを使用する

ボディがキレイになった後は、クリーナーやリキッドを使用していきます。

使用方法は商品によって異なりますが、ボディが濡れたままの状態で専用のクロスに溶剤を吹きかけて優しく塗り広げていくのが一般的です。

塗り広げた後は、乾かないうちに大量の水で余剰分を洗い流していきます。

太陽の光が直接当たる場所では、すぐに乾いてシミになるので屋根下か曇りの日に作業しましょう。リキッドも基本的にクリーナーと同じ施工方法ですが、水分を拭き取った状態で施工するものもあるため、注意が必要です。

クリーナーとリキッドを一緒の日に使用する場合は、必ず水でボディを洗い流して、溶剤が混ざらないようにしましょう。クリーナーで使用したウエスと別のウエスを使用してください。コーティング剤ではないため、基本的に硬化させるために乾かす必要はありません。

ステップ3.仕上げ拭きして終了

クリーナーやリキッドを施工した後は、仕上げ拭きします。クリーナーは余剰分が残っているとギラつきやすいので注意が必要です。

しっかり水で洗い流したうえで、別の新しいクロスを使って仕上げ拭きしていきましょう。

鉄粉などが刺さっており、ザラザラが気になるような場合はメンテナンスとは別に下地処理作業が必要です。誤った方法で行うと被膜が傷ついたりボディが傷だらけになるため、必ずお店のスタッフに相談するようにしましょう。

セラミックコーティングの普段のお手入れ方法

セラミックコーティングの普段のお手入れ方法について解説していくイメージ

セラミックコーティング施工車のメンテナンス方法を紹介してきましたが、被膜を長持ちさせるうえで最も大切なのが普段のお手入れです。

最適なお手入れ頻度

・青空駐車場で使用頻度が多い:1~2週間に1回
・屋内駐車場で使用頻度が多い:2~3週間に1回
・屋内駐車場で使用頻度が低い:3~4週間に1回

コーティング施工車の場合、汚れが固着しにくいためボディの状況によって、お手入れ方法が異なります。ここでは、2つのケースに分けて作業方法を紹介していきます。

あまり汚れていない場合のお手入れ方法

定期的にお手入れしており、あまり汚れていない場合は水洗いのみで問題ありません。

上から下の順番で、水を強めに当てて砂埃を洗い流していきましょう。汚れをしっかり流しきったあとは、マイクロファイバークロスで優しく拭き上げていきます。

拭き取りも、汚れが残りやすい足回りではなく、上から下の順で拭き取っていきます。

水滴が乾いてしまうと、含まれているカルキなどがシミになるため、なるべく曇りの日か屋根下で作業するようにしましょう。

汚れている場合のお手入れ方法

数週間ほど洗車しておらず、ある程度汚れている場合は、手洗い洗車します。メンテナンス方法で解説した通り、上から下の順で水をかけて汚れを洗い流したあとに、中性シャンプーで優しく全体を洗っていきます。

ホイールなど、足回りが汚れている場合は時間がかかるため、ボディに水をかける前に先に洗っておきましょう。

最初の水をかける段階ではなく、シャンプーの泡を洗い流す際の水弾きが弱っている場合は、メンテナンスも検討してみてください。

ちなみに、コーティング施工車の場合は自動洗車機の使用をおすすめしません。適切にブラシをお手入れしているお店が少なく、使用による被膜が剥がれたりボディが傷だらけになる恐れがあるからです。

どうしても使用したい場合は、コーティング車専用の「ノンブラシタイプ」の洗車機を使用するようにしましょう。

セラミックコーティングのメンテナンスに関するよくある質問

セラミックコーティングのメンテナンスに関するよくある質問について解説していくイメージ

最後はセラミックコーティングのメンテナンスに関する、5つのよくある質問に答えていきます。

・メンテナンスは専門店にお願いした方がいい?
・洗車機を利用しても大丈夫?
・セラミックコーティングは自分でできる?
・セラミックコーティングの効果時間は?
・セラミックコーティングのメリット・デメリットは?

セラミックコーティングの特徴なども解説していますので、施工を検討中の方も参考にしてみてください。

メンテナンスは専門店にお願いした方がいい?

コーティング被膜をお手入れするメンテナンスは、被膜の状況に応じた処置が求められるため、基本的に専門店への依頼をおすすめします。

特に施工して1年以上が経ち、ある程度本格的なメンテナンスが求められる状態の場合は、専門店に相談するようにしましょう。

ただし、施工したばかりで簡易的なメンテナンスのみで問題ない状況では、自分でも十分作業できます。今回解説した注意点を理解したうえで、作業してみてください。

洗車機を利用しても大丈夫?

コーティング施工車の場合、洗車機の利用はおすすめしません。

一概に洗車機がダメというわけではないものの、こまめにブラシをお手入れしているお店が少なく、ボディが傷つく恐れがあったり被膜が剥がれたりする可能性があるためです。

また、最近の洗車機はシャンプー以外のコーティング剤なども使用するため、ブラシに残った溶剤がボディに付着してしまう可能性もあります。どうしても使用したい場合は、ノンブラシタイプの洗車機を利用するようにしましょう。

セラミックコーティングは自分でできる?

近年は、一般の方でも施工できるように改良された市販のセラミック商品も多く、自分でも施工できます。

ただし、施工するにはいくつかの注意点があり、正しく作業しなければムラやギラつきができてしまう可能性があります。必ず取扱説明書を確認してから作業を始めましょう。

また、専門店での施工とは異なり、磨きといった下地処理が徹底してできないため、お店に任せた時のような仕上がりにはなりません。何を優先するか考えたうえで、最適な施工を決めてみましょう。

セラミックコーティングの硬化時間は?

セラミックコーティングの硬化時間は、商品によって全く異なりますが、初期硬化で12〜24時間、完全硬化には3〜4週間ほどかかります。

完全硬化させた方が寿命や硬化は高まりますが、初期硬化だけでも問題はありません。施工店に依頼する場合は、赤外線による熱乾燥などを用いて完全硬化で納車しているお店がおすすめです。

セラミックコーティングのメリット・デメリットは?

セラミックコーティングは、商品にもよりますが溶剤の濃度が濃く重ね塗りもできるため、深みのある艶と圧倒的な耐久性が特徴です。

一方で、プロ仕様の商品は施工が難しく時間がかかることから、施工費用が高額であることがデメリットと言えるでしょう。

適切なメンテナンスとお手入れでコーティング効果を維持しよう

記事をまとめるイメージ

コーティングの種類に関係なく、効果を長持ちさせるには定期的なメンテナンスと日頃のお手入れが大切です。

簡単なメンテナンスであれば、自分でも十分作業できますので、今回紹介した方法を試してみてください。またお手入れに関してもなるべく1~2週間に1回は行うことをおすすめします。綺麗な状態を保ちながら、これからもカーライフを楽しんでいきましょう。